★7? Boxiv! On! Fight! [SJ]
叩いていて楽しい地力系の乱打譜面だった。この譜面の特徴は、横に広い同時押しと縦に長い二重乱打の配置が、適度なバランスで組み合わさっているところだ。同時押しの優しい叩き心地に、乱打の動きのある配置が上手い具合に噛み合っていた。
特に後半の配置が面白かった。12分乱打の配置や偏りのあるトリル系の配置がダイナミックで、叩いていて心躍る気分になった。また、混フレ乱打地帯には、12分微連打が配置されている。この微連打が、16分連打ほど強度はないものの意識しないと取り逃してしまうような配置で、楽しませる要素になっていたと感じる。
★15? アジサイ [Σacrophylla]
乱打や同時押しに加えて、軸やLN、高速トリル、皿複合など、厄介な要素が盛り込まれた譜面。乱打の自体の配置もトリルが混じっていて叩きづらいし、サビ後半に配置された軸とトリルの複合配置は、bpm212という速度によって暴力的なものになっている。sl12の譜面が純粋に乱打と同時押しの重量感で圧倒してくる譜面であるならば、この譜面はプレーヤーをつまずかせる要素が散りばめられた譜面といえるだろう。
ただ、そういった捻くれた配置ゆえに、普通の譜面に物足りなくなった人にとっては刺激的な譜面だと思う。個人的にはスクウィール?(ギターのギュイーンってやつ)を皿LNでとる発想が面白かった。
★7? Strangulation [Daddy Longlegs]
曲の流れに譜面が自然とついていっているような、疾走感のある譜面だった。その勢いを堰き止めるものは何もなく、曲の終わりまで勢いよく譜面が駆け抜けていく。ただ、プレーヤーを突き放すほどの速さではなく、リズミカルに叩くことができる譜面だった。
また、微連打の配置が印象的だった。この曲は、微連打映えしそうな曲なのだが、この譜面では微連打の数は抑えられている。しかしながら、要所要所で現れる微連打の配置が譜面全体を特徴づけるものになっていた。
例えば、重たいキックの裏に張りついた二連打は、キックの存在感を強調するとともに、配置が冗長な繰り返しにならないようにするという役割を果たしている。このように数としては少ないものの、微連打が決定的な要素になっている譜面だと思う。
★17? Q33B [SJ]
曲が静謐系のブレイクコアで、曲の輪郭を捉えにくい曲であるように思うのだが、この譜面はキメ配置や繰り返し配置を用いて、ある程度まとまりのある譜面になっているところがよかった。
また、全体的に押しづらい箇所があり、ミスが出てしまう譜面だった。この譜面は密度の起伏がある譜面で、所々に配置されたディレイ(高速乱打)がそれを生み出している。問題は、そのディレイに混じる軸やトリルで、bpmが高いこともあって配置に押しにくさを付加していた。中盤の二重軸なんかは、曲の展開が予期しずらいこともあって、軸の始まりが掴みづらく、ミスを重ねてしまう配置だった。
★3? Lemuria [Land]
1バスにメロディーラインを配置したオーソドックスな譜面だが、細かいところで趣向を感じられた。特に後半の、単発トリルからの二重乱打や無理のないLNの使い方がよかった。
シンプルな配置ながらも興味をそそられてしまうのは、トリルの使い方が上手いからなのだろうと思う。縦連とディレイの使い方で、譜面製作者の力量が出るという言説を聞いたことがあるが、それらに加えてトリルも当てはまるように思う。